物質代謝を簡単に分かりやすく説明します。
基礎代謝、活動代謝、安静代謝、睡眠代謝は、代謝を、エネルギー変換の面からみた概念です。
単に、代謝と言った場合、通常は物質代謝のことを指します。
私達の身体を構成している細胞は、絶え間なく、体内の物質を化学反応によって変化させています。
体内に取り入れられた物質が、化学反応によって変化することを代謝と言います。
例えば、摂取した蛋白質をアミノ酸などに分解することや、アミノ酸などから、身体の修復のために、蛋白質を合成することは、蛋白質の代謝です。
ほとんどの酵素も蛋白質から作られます。
酵素は、それ自体は変化しませんが、体内の化学反応を助ける作用があります。
物質代謝には、同化と異化の2つの作用があります。
あらゆる物質(質量と体積があるもの)を構成している小さい一粒を原子といいます。
原子は物質の最小単位とも言われていましたが、原子は陽子、中性子、電子からなるので、正確には最小ではないです。
原子が、くっついて集まったものが、分子です。
例えば、酸素は、酸素原子が2つ集まった酸素分子として存在しています。
水は、水素原子2つと酸素原子1つが集まってできています。
体内で行われている物質代謝(物質の化学反応)は、同化と異化の2つの作用に分けられます。
異化
異化は、大きい複雑な分子を、小さく単純な分子に分解する作用です。
異化の際には、エネルギーが放出されます。
例えば、ブドウ糖は、酸化によって二酸化炭素と水に分解されて、エネルギーとして利用されます。
同化
同化は、異化とは反対に、小さく単純な分子を、大きく複雑な分子に合成する作用です。
蛋白質の代謝を例にすると、摂取した蛋白質が、消化管内で、アミノ酸に分解されるのは、異化で、エネルギーの放出を伴います。
そのアミノ酸が、肝臓で再び蛋白質に合成されたり、身体の各部の組織で細胞が作られたりするのが、同化です。
同化が行われるときには、エネルギーを消費します。
まとめ
私達の細胞内では、様々な物質の同化と異化が、一緒に起きています。
代謝(物質代謝)とは、体内の物質が化学反応によって変化することで、異化と同化があります。
異化が行われるときには、そのときエネルギーが産生され、放出されます。
同化が行われるときには、エネルギーがそこで使われます。
代謝を、エネルギーの産生と消費の面から見たものが、エネルギー代謝です。